検討の過程での利用
概要と条文
著作権者の許諾を得て利用しようとする場合、その検討段階で利用するときは、著作権者の権利が制限されます。
著作権者が使用をとめる権利が制限される=著作権者の承諾は必要ありません。
(検討の過程における利用)
著作権法第30条の3
著作権者の許諾を得て、又は第六十七条第一項、第六十八条第一項若しくは第六十九条の規定による裁定を受けて著作物を利用しようとする者は、これらの利用についての検討の過程(当該許諾を得、又は当該裁定を受ける過程を含む。)における利用に供することを目的とする場合には、その必要と認められる限度において、いずれの方法によるかを問わず、当該著作物を利用することができる。
ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
第67条1項(著作権者不明等の場合における著作物の利用)
文化庁長官が定める額の補償金を供託し、著作者不明等の著作物を利用するための裁定制度
第68条1項(著作物の放送等)
文化庁長官が定める額の補償金を著作権者に支払い、協議ができない著作物を放送するための裁定制度
第69条(商業用レコードへの録音等)
文化庁長官が定める額の保証金を著作権者に支払い、商業用レコード発売から三年経過したレコードを録音して他のレコードを制作するための協議ができない著作物を利用するための裁定制度
条文の解説
著作権者の許諾を得て、または著作権者が不明の場合等は文化庁長官の裁定を受けて=真っ当な方法で著作物を利用しようとする場合には、その検討の過程では著作権者の許諾を得ずに著作物を使用できるとする例外です。
たとえばあるキャラクターを使用するにあたって、企画書にそのキャラクターを印刷して会議で配布するなどの際は、必要な限度で著作物を利用する事ができます。
使用するための要件

- 許諾または裁定を受けて(適法に)利用しようとする者
- 必要と認められる限度で使用する事
- 利用の態様が著作権者の利益を不当に害しない事
利用の方法は全般的で、CMの映像に対して仮に音楽を付けるなどの使用も可能です。
また検討段階で企画書に利用し、仮に企画が通らなかったとしても問題ありません。
使用が認められない例

岩崎
以下のような著作物の利用は著作権者の許諾が必要です。

- 企業内の業務用資料として使用する事
- 検討の過程であっても社外に幅広く頒布する事
- 許諾を受けて使用する事を前提としない利用はできません。
- 必要と認められる限度を超える利用はできません。

ぎょうこ
読者アンケートはやり過ぎなのね。
